備忘録
2021.01.21
重度の扁桃周囲膿瘍と漢方④
感冒症候群寛解して1周後のX日、朝起きると扁桃周囲(左)に強い痛みと腫れを感じる。ツバを呑み込むとけっこう痛い。過去に二度この様な状態から2日程度で一気に短期入院にまで追い込まれた重度の扁桃周囲膿瘍の悪夢が脳裏をかすめる。当時の担当医から「扁桃周囲膿瘍は再発しやすいですから」と忠告され、その後,解毒症体質改善に取り組んで来てはいたが、感冒症候群緩解後で咽喉粘膜がダメージを受けていたこと、邪正闘争により正気を消耗していたことが背景にあるのか……。発熱、悪寒、浮脈はない。ただ無汗というか、気の出入が体表で閉塞している様な感覚がある。コロナ禍で医療事情が逼迫している状況下では何としても過去と同じ轍を踏むわけにはいかない。
かかりつけ医のY先生に電話相談,『山本巌の臨床漢方』p.1524-1525,p1465を参考に①葛根湯+桔梗石膏+小柴胡湯にて解表しつつ炎症性浮腫を除き、体表の気の出入の開通を試みる.加えて②排膿散吸湯+抗生物質(ケフラール250mg)を処方してもらい、①を1日3回食間、②を毎食後3回とし、X日15時より服用開始。18時に帰宅しまず布団むしで発汗療法を2時間程度実施、少し手応えあり。X+1日7時起床時、扁桃周囲痛10→2、18時10→1、腫れはほぼ消失。①の葛根湯をやめて我が家に常備していた桂枝湯(桂皮末添加)に変え柴胡桂枝湯+桔梗石膏とし、②はそのまま継続。X+2日扁桃周囲痛10→0、念のため②のみ継続、自覚的に完治し事なきを得た。
自身が典型的な解毒症体質であるが故に、過去に扁桃周囲炎から(いろいろ試みたにも関わらず)急速に重度の扁桃周囲膿瘍に進行し、二度までも嚥下困難・激痛と気道閉塞による呼吸困難の恐怖を味わったが、この場合の対処法を今回確立することができたように思う。引き続き解毒症体質改善の漢方を継続する。