備忘録
2019.04.26
重度の扁桃周囲膿瘍に対する漢方自験例②
連休前の水曜日朝、咽頭痛があり、扁桃周囲が赤い。7年前の悪夢が蘇る。今度は初動を間違えないようにしようと、かかりつけ医師Y先生と相談し、小柴胡湯加桔梗石膏を処方してもらい、水曜日の午後から就寝までの間に4回、毎回小柴胡湯と桔梗石膏を各1包服用した。7年前の時には銀翹散の方意で荊芥連翹湯加桔梗石膏を服用したが、心下痞が出てきて不快になり失敗に終わった反省から心下痞対策の人参を含む小柴胡湯がいいのではと単純に考えてしまった。
しかし今回も全く効かなかった。後から大事なことが意識から漏れていることに気づくことになるのだが、この段階では思考が及んでいなかった。
連休前ということもあり近くの耳鼻咽喉科が木曜日午前診を行っていたので7年前の扁桃周囲膿瘍の入院のことを話して受診、検温で38度台の発熱があり、まだ扁桃周囲膿瘍にまでは至っていないとの診断、連休に入るからと明日もう一度診させてくださいと。抗生剤を処方され、指示通り服用。翌金曜日、抗生剤は全く効かず、息苦しさで目覚め、鏡でみると7年前と同様の扁桃周囲膿瘍そのものの形状になって気道が塞がれている。
ここでかかかりつけ医師Y先生が携帯に連絡を入れてくれた。状態を確認した上で第二日赤救急外来へ話を通してくれて、救急搬送されることとなった。救急車到着時の検温40.1度(平常時36.5)、血圧測定200/104(平常時は120/70)、病院到着後、複数の医師が対応してくれ必要な検査へと次々回し、重度の扁桃周囲膿瘍と診断、そのまま耳鼻咽喉科の担当医師が患部を切開、多量の膿血が排出され一気に楽になった。が、そのまま抗生剤の点滴状態で入院となる。
膿血の排出を促進する目的で持参した排膿散及湯を夕食前から就寝までの間に3包服用、それなりに眠れたが頻繁に膿血をティッシュに吐出し、持参したレジ袋がいっぱいになった。翌土曜日には何ら苦痛もなく体温・血圧正常に復し、食欲もある。日曜から普通食にしてもらい火曜日の主治医の診察を経て退院となった。