備忘録
2015.06.18
帯状疱疹に伴う激しい群発頭痛の漢方自験例/20歳次男
X日より右腕に違和感(アロディニア)があると次男が言い出す。
X+3日右腕に(水疱様?)発疹が2~3出てくるとともに右側頭部頭痛を訴えるが、その日はあいにくの休日。
X+4日朝、発疹はわずかだが右側群発頭痛が少し苦痛な状態。帯状疱疹ではないかと近くの皮膚科を受診。発疹所見・部位より帯状疱疹と診断され、抗ウイルス薬と神経障害性疼痛治療薬を処方される。
午前中より指示通り服用するも耐え難い右側群発頭痛が周期的にあり、20時の検温で39.8℃の発熱、顔面紅潮、眼充血、紅舌・黄膩苔(黄煌先生のいう黄連舌)。のたうち回るぐらいの頭痛だという。「疼痛治療薬が全く効かない、到底寝られない、漢方薬で何かないのか」という。
状況から漢方的には肝胆湿熱は明らかと判断、一貫堂竜胆瀉肝湯エキスなら常備薬として我が家にある。念のためかかりつけ医師Y先生に電話で確認したところ「丁度いいと思われる」とのこと。
20時30分に2包を服用して30分後、「効いているような気がする」という。22時に2包、23時2包服用して就寝。
X+5日朝8時、検温36.8℃、群発頭痛は完全に消失、顔面紅潮もなく淡紅舌、黄膩苔もなく著効した。
以後、抗ウイルス薬を飲み切り、帯状疱疹水疱~膿疱化・結痂の経過を辿り、『山本巌の臨床漢方』p.1472-1475を参考に、かかりつけ医師Y先生と相談の上、経過にあわせて越婢加朮湯、一貫堂竜胆瀉肝湯、通導散、補中益気湯の内服、外用薬として紫雲膏での治療となり治癒。