備忘録
2025.05.17
顔面強打の打撲傷の漢方自験例
宅配業者に荷物を託そうと小走りになったところで社内のカーペットのたわみに足元をとられ、突き出していた机の角に右腹部が引っ掛かり、鉄棒の前回りのような形で転倒して前頭顔面部を強打。
一瞬意識が飛びかけたが持ち堪えた。
宅配業者に荷物を託す直前だったのでドライバーは心配してくれているようだが、顔面の痛みと麻痺感、キーンという聴覚音で会話がよく聴こえない。とにかく荷物は託すことができた。
編集室へ戻り、鏡で顔面を写し見た。おでこ2箇所、左目右横の鼻と左迎香穴辺りの計4箇所の皮膚が損傷し流血している。ヒリヒリと痛みが強い。どうみても顔面を強くボコられたようにしか見えない。
水で顔を洗浄し、すぐに日々常服用として携帯している漢方薬の中からコタロー通導散4包、コタロー竜胆瀉肝湯2包を服用(18時頃)、痛みは急速に軽減した。
そこからかかりつけ医のもとへ向かった。強い衝撃だったので脳にダメージが無いか多少心配で救急車の手配も考えたが、自覚的には大丈夫と判断し傷の手当てをしてもらい、ツムラ治打撲一方を処方してもらうことにした。
帰宅し、コタロー通導散4包、コタロー竜胆瀉肝湯2包を21時と24時に服用し、常備している紫雲膏を塗りキズ用パットを貼って就寝。紫雲膏は消炎止血と皮膚の苔蘚化予防を意図した。
<処方>
コタロー通導散16g
コタロー竜胆瀉肝湯6g
外用:紫雲膏
朝8時に気持ち良く多量の下痢、爽快感がある。
調剤薬局へツムラ治打撲一方を取りに行き、治打撲一方4包とコタロー竜胆瀉肝湯2包を10時、13時、17時、21時に服用。結局1日3回気持ち良く下ることとなった。
<処方>
ツムラ治打撲一方10g
コタロー竜胆瀉肝湯6g
外用:紫雲膏
3日目からは治打撲一方3包と竜胆瀉肝湯1包を1日3回、外用に紫雲膏とした。
このような打撲傷の急性期に大黄入りの駆瘀血剤で下すこと、出血があれば黄連解毒湯(この場合は一貫堂竜胆瀉肝湯にした)を加えることが重要とされるが、患部が腫れることも内出血してアザになることもなく、傷も1週後には赤味は残っているものの表皮がしっかり再生した。
打撲・外傷には漢方が大変よく効く。
