備忘録
2025.02.14
重度のしもやけ(凍瘡)の漢方自験例
2025年2月某日の朝、還暦を越えた妻、右足先が痛いというので見てみると、右足薬指が暗赤紫色に腫れ、指関節部に潰瘍が出来てしまっている。
酷い「しもやけ」だ。足先がとても冷たい。
ここ20数年、「しもやけ」などできたことが無かったこと、右半身不随のため右足の感覚が鈍く、ひどくなるまであまり気に留めなかったからか……。
『山本巌の臨床漢方』『症例&144処方臨床解説』を参考に病態と生薬の薬能を考え、処方は当帰四逆加呉茱萸生姜湯+桂枝茯苓丸+千金内托散、外用に紫雲膏とした。
早速、かかりつけ医にツムラ当帰四逆加呉茱萸生姜湯とツムラ桂枝茯苓丸を処方してもらい、漢方薬局でコタロー千金内托散を購入。
各1包を3回/日服用。
家に常備していた紫雲膏を外用として患部に塗布し右足先をラップ巻きにした。
さらにAmazonで温かスリッパを購入し室内履きにした。
その治療効果は大変鋭く、服用開始から5日目の朝には患部の右足薬指の色は普通色に回復し、潰瘍部は膜が出来て早くも肉芽が出てきているではないか。
さらに治療開始から10日目には何と潰瘍の痕跡すら消失していた。
冷えに関わる病態に西洋医学は概念も治療法も乏しいと言われる。
それに対して漢方は、重度のしもやけに対しても、山本巌先生が言われたように病態と生薬の薬能を考えて適切に使えば大変よく効く。